内裏雛飾り 越智恵津子氏寄贈
徳川美術館蔵
平成31年2月9日(土曜日)から4月7日(日曜日)
企画展
ひなを楽しむ-旧家のひな飾り-
- ■会場
- 蓬左文庫展示室
- 江戸時代から昭和に至るまでの町屋で飾られた様々なお雛さまを紹介します。大名家・尾張徳川家に伝えられた雛とは趣の異なる、素朴な中に身近で親しみを感じさせてくれる旧家の“桃の節供”をお楽しみください。
展示の詳細案内
江戸時代以降の町なかを飾ったお雛さまは、素朴で身近な親しみやすさがあります。
本展では面長の顔の享保雛や女雛の装束に金糸や色糸を用いた豪華な古今雛、巨大な御殿を伴う御殿雛など様々なお雛さまを紹介します。
また本年は町屋のお雛さまに加え、可愛らしいまん丸の顔が特徴の、皇室・公家・大名家で愛された次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)(個人蔵)を特別公開いたします。
享保雛(きょうほうびな)
江戸時代の中頃、享保年間(1716から1736)頃に登場した旧家のお雛さまです。頭には髪が植えられ、装束には金襴や錦などが使用されました。男雛は束帯(そくたい)風、女雛は天冠(てんかん)を戴き、いわゆる十二単(じゅうにひとえ)を模した装いがとられています。この形式のお雛さまは、明治時代まで製作されていました。
江戸時代
徳川美術館蔵
御殿雛飾り(ごてんびなかざり) 志村家寄贈
京都で造り酒屋を営んでこられた志村家より、平成24年(2012)に徳川美術館に寄贈された御殿雛飾りです。御殿雛飾りは、京都御所の紫宸殿をモチーフに作られた御殿をともなう雛人形で、江戸時代末期に京都・大坂で流行し、明治時代以降も関西圏で人気がありました。御殿は畳一畳からはみ出すほど大きく、寝殿に脇御殿が附属し、上段奥にはやまと絵の障子がはめ込まれ、上蔀(うえしとみ)が付けられるなど細部までこだわった本格的な作りです。明治時代の京都の旧家を代表する御殿雛です。
明治時代
徳川美術館蔵
内裏雛飾り(だいりびなかざり) 越智恵津子氏寄贈
男雛・女雛・三人官女・随身・仕丁の人形に加え、犬張子(いぬはりこ)や几帳(きちょう)・灯台、そのほかの調度類も揃った雛飾りです。人形は福々として愛らしく、表情もあどけない子どもそのものです。木製の人形の表面に布を被せる「木目込(きめこ)み」の技法で作られています。
昭和13年(1938)
徳川美術館蔵
西光庵伝来 御所人形(さいこうあんでんらい ごしょにんぎょう)
東京都新宿区にある尼寺・西光庵伝来の御所人形で、平成26年(2014)春に徳川美術館に寄贈されました。幼児のあどけない仕草をうつした御所人形は、公家や大名の間で好まれ、祝いの贈り物に用いられました。西光庵は尾張徳川家と関係が深く、幕末の14代慶勝(よしかつ)や16代義宜(よしのり)の墓所が営まれました。この御所人形の持ち主はわかっていませんが、尾張徳川家の女性が供養のために奉納したと思われます。
江戸時代
徳川美術館蔵
次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)
京都の人形師・雛屋次郎左衛門が製作したといわれるこの雛は、まるで物語絵に出てくる貴族のような丸い顔に、小さな口と細い目元(引き目)、小さな鼻(鉤鼻)が特徴で、江戸時代中期頃に登場したとみられています。古雅な面差しはとりわけ大名家や公家の間で愛されたようで、公家・大名家や門跡尼寺(皇族・貴族の子女が入寺する寺院)に伝わる作品も知られています。
江戸時代
個人蔵
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