伝徳川家光 (3代将軍) 筆
鶏図 周東家寄贈
2024年11月9日(土曜日)から12月15日(日曜日)
企画展
「とんがり美術-キワだつ個性-」
- ■会場
- 蓬左文庫展示室
- 独特の雰囲気や印象を発し、他とは一線を画する、個性豊かな作品たち。本展では、そんな個性豊かな作品たちを「とんがり美術」と総称し、それらが誕生した背景を追いかけます。
黄金造神農像
(こがねづくりしんのうぞう)
とんがっている人
古代中国、あらゆる薬草の効能を自ら確かめたとされ、医学の神として信仰された神農。中国では古くから、偉大な人物の体には変わった特徴があると考えられ、頭のツノは神農の非凡さを表している。不思議なところには、きちんと意味がある。
徳川義直(尾張家初代)所用
江戸時代 17世紀
賭弓之式
(のりゆみのしき)
クセ字の元祖
宮中で毎年正月18日に催された、弓の競技の次第の記録。太細が入り混じる、クセの強い字は、歌人で古典籍の研究にも努めた藤原定家(1162から1241)の自筆。自ら「鬼のごとし」というほどのクセ字だったが、後世に愛され盛んに真似られた。
藤原定家筆
徳川光友(尾張家2代)所用
鎌倉時代 13世紀
鶏図
(にわとりず)
ゴキゲンななめな鶏
無造作な筆使いと画面右に向けた流し目があいまって、不満そうな鶏。尖ったくちばしも何か言いたげ。3代将軍家光(1604から51)の幼少時の筆と伝わる絵は、どれも紙の隅にちまちまと描いてあるのが特徴で、病弱だったという、当時の家光の性格を想像させる。
伝徳川家光(3代将軍)筆
周東家寄贈
江戸時代 17世紀
真珠貝玉箱
(しんじゅかいたまばこ)
幻の楽園はいずこ
銀製の葡萄の透かし彫りの上を、141個の真珠、さらに金製の鶴・尾長鳥・蜂・栗鼠(りす)などが華やかに飾る。貴重な素材それぞれの個性を活かしつつ、楽園の光景を再現している。ついつい見とれてしまう名品ながら、類品はまだ見つからず、製作地はわかっていない。
徳川家康・霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
東南アジア 16世紀
白羊毛皮付き羽織
(しろひつじけがわつきはおり)
舶来品で揃えました
羽織の胴に白羊の毛皮を、内側にはヨーロッパ製の木綿布を用いた羽織。江戸時代の日本では牧羊が定着せず、この羊毛は海外産と考えられる。高価で稀少な輸入素材で仕立てたゴージャスな一領。誰が着ていたのか分からないのが惜しい。
江戸時代 18世紀
青銅羽状文扁壺
(せいどううじょうもんへんこ)
古代の技術ってすごい
古代中国で作られた酒の容器で、後世は花生に使われていた。胴には簡略化された羽状の文様が精緻かつ立体的に象られている。肩の耳とそこに通された鐶(かん)は後付けではなく、胴と同時に鋳造されていて、切れ目がない…!錆がほとんど出ていない状態も奇跡的!
春秋戦国 紀元前3世紀
犀皮屈輪文食籠
(さいひぐりもんじきろう)
精緻の極み
薄いリボン状の板を重ねて巻きつけて成形した地に、黄・朱の漆を交互に塗り重ね、表面に茶漆を塗ってから、文様を彫り込む「犀皮」の代表作品。幾何学的な文様が、その間にみえる漆の層の精緻さを引き立たせる。彫っている時に失敗したら大変。
南宋時代 13世紀
黒織部沓茶碗
(くろおりべくつちゃわん)
シンプルな絵と複雑な造形
器の大半を黒く塗り、塗り残した部分を蕨(わらび)・格子・渦などのシンプルな文様を描く。一方で、円筒に作り腰に段をつけてから口縁を広げ、さらに全体を楕円に歪ませ部分的に篦(へら)で削るなど、複雑な成形をしている。より強い、見た目のインパクトを目指したのだろう。
岡谷家寄贈
江戸時代 17世紀
戯画図巻(模本) 二巻
(ぎがずかん(もほん))
謎多き絵巻
時代の異なる、東洋の宗教や古典文学・史実で知られる人物たちを組み合わせて、からかい描く。コミカルながら、製作にも鑑賞にも幅広い教養が求められる高度な絵巻。しかし、まだ製作の背景はほとんど分かっていない。いったい誰が考えたのか…?
原本 狩野探幽筆
江戸時代 17世紀
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