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展示案内



黄地枝垂桜に尾長鳥文金襴長絹 黄地枝垂桜に尾長鳥文金襴長絹

2021年4月18日(日曜日)から5月30日(日曜日)

企画展
うるわしき花と鳥

会場
蓬左文庫展示室
古から人の心を潤してきた花と鳥。四季を表す指標として、また洗練されたデザインとして花と鳥を写し込んだ絵画や工芸品を紹介します。

展示の詳細案内

 花と鳥は、その美しい姿や豊かな香り、快い鳴き声によって、古来、人の心を潤してきました。人はその美しさをさらに昇華させて、身近な絵画や工芸品の中に写し込みました。
 季節と共に生を謳歌する花と鳥は、様々に組み合わせることにより四季を表現する指標となります。またその形態を抽象化させれば、洗練されたデザインとなります。一方、生物として自然科学の研究対象となり、図譜や動植物画など新しい美の世界が生み出されることもありました。
 本展では、人の目を楽しませ、心を豊かにしてきた花と鳥を、絵画や工芸品を中心にご紹介します。

長生殿蒔絵手箱(ちょうせいでんまきえてばこ)

長生殿蒔絵手箱

 長生殿は中国・唐の都にあった宮殿です。平安時代の学者・慶滋保胤(よししげのやすたね)の詠んだ漢詩では、春秋の美観に満ちたすばらしさが賞賛されています。本品では梅・藤・橘・菊などの花が季節を超えて咲き乱れる理想郷として表現され、鶴・亀などのおめでたいモチーフも描かれています。

鎌倉時代 13-14世紀 重要文化財

松竹梅鶴・四季草花箔絵螺鈿謡本簞笥
(しょうちくばいつる・しきそうかはくえらでんうたいぼんだんす)

松竹梅鶴・四季草花箔絵螺鈿謡本簞笥

 蓋表には、古代中国の神仙思想の理想郷・蓬萊(ほうらい)を思わせる松・竹・梅と鶴、箱の両側面・背面・天板には春から秋にかけて咲く花々の折枝(おりえだ)と蝶が表されています。花の折枝は、鳳凰(ほうおう)などの瑞鳥(ずいちょう)がくちばしにくわえてもたらす幸福の象徴です。本品は総じてパラダイスのイメージを彷彿させます。

江戸時代 17世紀 平戸松浦家伝来 岡谷家寄贈

四季花鳥図屏風(しきかちょうずびょうぶ) 六曲一双

四季花鳥図屏風 六曲一双

 パラダイス(理想郷・仙境・異界)を表現する要素として、古くから「四季を兼ね備える」ということがあります。金箔地に多種多様な花と鳥が描かれた本品では、右隻から左隻へと四季の様子が表されます。花と鳥はその美しさでパラダイスを荘厳するとともに、季節を象徴的に示す役割も担っています。

伝狩野山楽筆 江戸時代 17世紀
(展示期間:2021年4月18日から5月9日)

黄地枝垂桜に尾長鳥文金襴長絹
(きじしだれざくらにおながどりもんきんらんちょうけん)

黄地枝垂桜に尾長鳥文金襴長絹

 綬帯鳥(じゅたいちょう)(尾長鳥)は、中国で尊ばれた瑞鳥(ずいちょう)で、「綬」と「寿」とが同じ音であることから、おめでたいモチーフとして好まれました。本品は能の衣装で、主に女役が舞装束として用います。舞うごとに黄金の光を放つ桜の枝に、色とりどりの綬帯鳥が群れ飛ぶというパラダイスに通じるイメージが、優美な感覚で表現されています。

江戸時代 17-18世紀
(展示期間:2021年5月11日から5月30日)

紫陽花蒔絵印籠(あじさいまきえいんろう) 銘 芝山易政筆 附属 象牙金鳳凰根付

紫陽花蒔絵印籠 銘 芝山易政筆 附属 象牙金鳳凰根付

 江戸で活躍した印籠の名工・芝山家初代易政(やすまさ)の作で、鉄刀木(たがやさん)と呼ばれる黒い木地に、色ガラスや、金・蠟石(ろうせき)・鼈甲(べっこう)など、色とりどりの素材を嵌め込んだ複雑な象嵌(ぞうがん)技法が駆使されています。象嵌部分の盛り上がりが、紫陽花の手毬のようなボリュームと良く調和しています。

江戸時代 19世紀

百花百草図屏風(ひゃっかひゃくそうずびょうぶ)

百花百草図屏風

 金箔地に豊かな色彩で描かれた花々により、右隻から左隻へと四季が展開していきます。ときおり画面の上端から現れる藤などの花木や、背の高い蒲(がま)、ボリュームのある薄(すすき)など、花の配置によってリズムが創り出されており、作品に深みを与えています。江戸時代後期の復古やまと絵派の絵師・田中訥言(とつげん)の最高傑作と評されます。

田中訥言筆 岡谷家寄贈 重要文化財
江戸時代 19世紀
(展示期間:2021年5月11日から5月30日)

葵紋鳳凰蒔絵螺鈿飾太刀拵
(あおいもんほうおうまきえらでんかざりたちごしらえ)

葵紋鳳凰蒔絵螺鈿飾太刀拵

 梨子地に、鳳凰(ほうおう)とも綬帯鳥(じゅたいちょう)ともみえる瑞鳥(ずいちょう)と葵紋をあしらった太刀拵です。瑞鳥は、花の折枝をくわえる伝統的な花喰鳥(はなくいどり)としてデザインされています。花喰鳥の文様は古代ペルシアに起源があり、中国をへて日本にもたらされ、奈良時代には盛んに用いられました。

徳川斉荘(尾張家12代)・慶勝(同家14代)所用
江戸時代 天保10年 <1839>

唐胴鶴香炉・菊折枝蒔絵香炉台
(からどうつるこうろ・きくおりえだまきえこうろだい)

唐胴鶴香炉・菊折枝蒔絵香炉台

 長い頸をひねり、芦(あし)の葉を踏んで立つ鶴を象った大型の香炉です。羽根部の取り外しができ、胴部で香を焚く構造で、羽根の間に設けられた三日月状の隙間と嘴(くちばし)から香りが漂う仕組みです。しなやかな曲線を描く細い頸や丸みを帯びた胴など、優美な姿を良く捉えており、鶴特有の気品を醸し出しています。

江戸時代 19世紀
俊恭院福君(尾張家11代斉温継室)所用

百鳥図(ひゃくちょうず) 五巻の内

百鳥図五巻の内

 身近に見る鳥から鳳凰(ほうおう)などの瑞鳥(ずいちょう)まで百種の鳥が、各鳥に相応しい花や情景とともに描かれています。墨線の筆致も彩色も丁寧で、巻き進めるごとに、美しい鳥が目を悦ばせます。本品は、中国・清から徳川将軍家へもたらされた原本を、尾張徳川家が借用し模写させた品で、珍鳥の図譜(ずふ)として鑑賞されたと考えられます。

神谷晴真・宋紫岡筆
江戸時代 19世紀
会期中場面替えあり


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