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これまでの展示案内

  • 令和7年度|

重要文化財 紫地葵紋付葵の葉文辻ケ花染羽織(部分) 重要文化財 紫地葵紋付葵の葉文辻ケ花染羽織(部分)

2025年9月13日(土曜日)から11月9日(日曜日)
<終了しました>

徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念
秋季特別展
「尾張徳川家 名品のすべて」

会場
徳川美術館本館展示室/蓬左文庫展示室
令和7年(2025)11月、徳川美術館と蓬左文庫は開館90年を迎えます。昭和10年(1935)、徳川美術館は名古屋で開館し、蓬左文庫は東京目白の尾張徳川家邸内に開館ののち、同25年に名古屋市に移管されました。ともに御三家筆頭であった尾張徳川家の収蔵品を守り伝える施設として、活動を続けています。
 本展では、重要文化財を含む名品と、昭和から令和に至る90年の歩みを物語る関連資料を通して、徳川美術館と蓬左文庫の全貌を紹介します。

展示の詳細案内

重要文化財 紫地葵紋付葵の葉文辻ケ花染羽織
(じゅうようぶんかざい むらさきじあおいもんつきあおいのはもんつじがはなぞめはおり)

じゅうようぶんかざい むらさきじあおいもんつきあおいのはもんつじがはなぞめはおりの画像

 紫地に、3色の二葉葵の大柄な文様を散らした華やかな羽織である。縫い絞りによるおおらかな葵の葉の表現と、引きしまった葉柄の線にみられる繊細さなど、染色技巧を余すところなく駆使した、家康の辻ケ花染の衣服を代表する一領である。

徳川家康・徳川吉通(尾張家4代)着用
桃山-江戸時代・16から17世紀 [前期]

重要文化財 豊国祭礼図屛風 岩佐又兵衛筆 六曲一双の内 左隻
(じゅうようぶんかざい ほうこくさいれいずびょうぶ いわさまたべえひつ ろっきょくいっそうのうち させき)

じゅうようぶんかざい ほうこくさいれいずびょうぶ いわさまたべえひつ ろっきょくいっそうのうち させきの画像

 豊臣秀吉の7回忌にあたる慶長9年(1604)8月、盛大に催された豊国大明神臨時祭礼の風景を描く。右隻(前期展示)では豊国神社前に田楽【でんがく】・猿楽【さるがく】と祭りの行列が広がり、左隻(後期展示)では方広寺大仏殿を背に京の町衆が華美な出で立ちで豊国踊りに熱狂する。緻密で動的な群像表現には岩佐又兵衛(1578から1650)の並外れた技量が発揮されている。

蜂須賀家伝来
江戸時代・17世紀 [後期]

重要文化財 高麗史節要 金宗瑞等撰 三十五冊の内
(じゅうようぶんかざい こうらいしせつよう きんそうずいらせん さんじゅうごさつのうち)

じゅうようぶんかざい こうらいしせつよう きんそうずいらせん さんじゅうごさつのうちの画像

 高麗時代(918から1293)の歴史を編年体で記した歴史書である。朝鮮王朝時代では初代国王・太祖(在位:1392から98)の時代から高麗正史の編纂が始まり、5代国王・文宗(1450から52)の時に紀伝体の『高麗史』が完成。続いて金宗瑞らが編年体による歴史書の編纂を命じられて本書が誕生した。蓬左文庫に残るものは現存唯一の完本。
 巻頭にある「経筵@けいえん@」印は、国王に学問を進講するために用いられたことを示す。

朝鮮王朝時代
景泰4年(1453)刊
名古屋市蓬左文庫蔵

張州雑志 内藤東甫編 百冊の内 ( 部分)
(ちょうしゅうざっし ないとうとうほへん ひゃくさつのうち(ぶぶん))

ちょうしゅうざっし ないとうとうほへん ひゃくさつのうち(ぶぶん)の画像

 尾張の様々な風俗・事物の記録を絵とともに収録、編纂したもの。労働や祭礼に携わる人々、町や山や海の風景、生息する生物、寺社の宝物等が描かれ記録されている。
安永元年(1772)年、編纂中の草稿の内覧を経て9代宗睦の命を受けて本格的な編纂が始められた。編者である内藤東甫(1727から88)は、尾張藩士であるとともに画家としても知られた人物である。本書は、東甫の急逝により、未完の状態の原稿を百巻百冊に整理して宗睦のもとに献納された。

江戸時代・18世紀
名古屋市蓬左文庫蔵


重要文化財 刀 銘 本作長義・・・(以下58字略) 重要文化財 刀 銘 本作長義・・・(以下58字略)

2025年6月14日(土曜日)から9月7日(日曜日)
<終了しました>

徳川美術館・蓬左文庫開館90周年記念
夏季特別展
「時をかける名刀」

会場
徳川美術館本館展示室/蓬左文庫展示室
大名・尾張徳川家に伝来した名刀のなかには、複数の天下人の手を渡り、戦乱をくぐり抜けてきたというような輝かしいエピソードを持つ刀剣や、戦功や慶事の祝儀に贈られたという縁起の良いエピソードを持つ刀剣が数多くあります。刀剣それぞれの価値・重要性は、こうしたエピソードによって高められていたといっても良いでしょう。
本展覧会では徳川美術館の所蔵刀のうち国宝・重要文化財、また古くから名高い名物刀剣を軸として、歴史に名を馳せた武将や大名ら所縁の名刀を展示し、歴史的背景の面白さと、刀剣そのものの美しさの両側面から、刀剣の奥深い魅力を紹介します。

展示の詳細案内

葵紋散螺鈿黄金造太刀拵
(あおいもんちらしらでんこがねづくりたちごしらえ)

あおいもんちらしらでんこがねづくりたちごしらえの画像

 「小太刀 銘 吉用(よしもち)」(No.125)に附属する太刀拵です。刀身・拵ともに、尾張家初代義直(よしなお)が浅野幸長(よしなが)の娘・春姫(はるひめ)と婚約した際、幸長の弟で広島浅野家初代の長晟(ながあきら)より贈られました。梨子地の鞘には葵紋が蒔絵(まきえ)・螺鈿(らでん)・金貝(かながい)により散らされ、金・銀製の総金具が附属しています。金工・漆工の技法を凝らした豪華な作りで、江戸時代初期における有力大名家同士の婚礼の華麗さと大名家の品格を象徴しています。

浅野長晟(広島浅野家初代)・徳川義直(尾張家初代)所用
江戸時代 17世紀

花生椿水仙菊図三所物 銘 後藤顕乗(花押)
(はないけつばきすいせんきくずみところもの
めい ごとうけんじょう(かおう))

はないけつばきすいせんきくずみところもの めい ごとうけんじょう(かおう)の画像

 赤銅魚々子地に金銀色絵で、花生に生けた椿や水仙などを表す清楚な三所物です。魚々子(ななこ)とは、文様の下の部分(地(じ))に鏨(たがね)で打つ彫金技法の1つで、魚の卵のような見た目から魚々子と呼ばれます。かつて「刀 金象嵌銘 正宗磨上 本阿弥(花押) 名物 池田正宗」(No.93)の拵(こしらえ)に附属していましたが、その後取り替えられて、三所物として保管されました。

後藤顕乗(後藤家7代)作
江戸時代 17世紀

刀 無銘 一文字 名物 南泉一文字
(かたな むめい いちもんじ めいぶつ なんせんいちもんじ)

かたな むめい いちもんじ めいぶつ なんせんいちもんじの画像

 豊臣秀吉の所持した名刀で、慶長16年(1611)、政治的緊張が高まるなか京・二条城で豊臣秀頼が徳川家康と会見した折に、家康に贈られました。家康の歿後は尾張家初代義直(よしなお)へ譲られ、尾張家では足利将軍家から継承された品とみなされ、為政者としての正統性を語る品として代々受け継がれていきました。備前国(現・岡山県)一文字派(いちもんじは)による刀で、多様な変化をみせる大房の重花丁子乱(じゅうかちょうじみだれ)を焼いた絢爛豪華な1口です。

伝足利将軍家・豊臣秀吉・秀頼・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
駿府御分物 鎌倉時代 13世紀
重要文化財

太刀 銘 長光 名物 津田遠江長光
(たち めい ながみつ めいぶつ つだとおとうみながみつ)

たち めい ながみつ めいぶつ つだとおとうみながみつの画像

 天正10年(1582)の本能寺の変の直後、明智光秀が安土城から奪取した織田信長の所持刀で、家老の津田遠江守重久(しげひさ)に与えたと伝わります。江戸時代には将軍家と、名門大名家である加賀前田家・尾張家との栄えある贈答に用いられました。備前国長船派(おさふねは)の長光(ながみつ)による太刀で、磨上げられているものの、腰反りで均整のとれた太刀姿です。刃文は豪華絢爛な丁子乱(ちょうじみだれ)で、淡い乱映(みだれうつり)が鎬(しのぎ)を超えた高い位置にまで現れ、一層華やかです。

長船長光作
織田信長・明智光秀・津田重久・前田利長(加賀前田家2代)・綱紀(同家5代)・
徳川綱吉(5代将軍)・家宣(6代将軍)・徳川吉通(尾張家4代)所持
鎌倉時代 13世紀 国宝

刀 銘 本作長義 天正十八年庚刁五月三日九州日向住国広銘打 長尾新五郎平朝臣顕長所持 天正十四年七月廿一日小田原参府之時従 屋形様被下置也
(かたな めい ほんさくちょうぎ てんしょうじゅうはちねんかのえとらごがつみっかきゅうしゅうひゅうがじゅうくにひろめいうつ ながおしんごろうたいらのあそんあきながしょじ てんしょうじゅうよねんしちがつにじゅういちにち おだわらさんぷのとき やかたさまよりくだしおかるなり)

かたな めい ほんさくちょうぎ てんしょうじゅうはちねんかのえとらごがつみっかきゅうしゅうひゅうがじゅうくにひろめいうつ ながおしんごろうたいらのあそんあきながしょじ てんしょうじゅうよねんしちがつにじゅういちにち おだわらさんぷのとき やかたさまよりくだしおかるなりの画像

 長尾顕長(あきなが)が、天正14年(1586)に北条氏直(うじなお)から拝領した刀です。顕長は同18年の小田原合戦では氏直に従って籠城しますが、領国の足利周辺が豊臣方に制圧された時期にあたる5月3日、北条方の武将として決戦への覚悟を示すように本刀に銘を切らせます。銘文から歴史的な経緯が判明する珍しい例です。備前国長船派の刀工・長義(ながよし)による、身幅が広く切先(きっさき)の大きい堂々とした姿の太刀です。多彩に変化する箱型の大互の目乱(おおぐのめみだれ)が華麗な1口です。

長船長義作
北条氏直・長尾顕長・徳川綱誠(尾張家3代)所持
南北朝時代 14世紀 重要文化財

脇指 無銘 貞宗 名物 物吉貞宗
(わきざし むめい さだむね めいぶつ ものよしさだむね)

わきざし むめい さだむね めいぶつ ものよしさだむねの画像

 徳川家康から尾張家初代義直(よしなお)に譲られた1口で、尾張家では万事吉祥を意味する「物吉」と名付けられて家宝とされました。江戸時代中期には、三河時代の家康に戦勝をもたらした縁起の良い刀剣という由緒が語られるようになり、家康の神威を借りて尾張家当主の権威をさらに高めようとしていたことが窺えます。相模国の貞宗の傑作で、地鉄(じがね)は明るく地沸(じにえ)がつき、刃文は湾(のたれ)を基調として特に切先(きっさき)付近で激しい変化をみせています。

相州貞宗作
豊臣秀吉・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
南北朝時代 14世紀 重要文化財


重要文化財 純金香盆飾り 重要文化財 純金香盆飾り

2025年4月12日(土曜日)から6月8日(日曜日)
<終了しました>

企画展
「千代姫の華麗なる生涯」

会場
蓬左文庫展示室
3代将軍徳川家光の長女千代姫は、将軍家の跡継ぎ確保のため、わずか2歳6か月で尾張徳川家2代光友に嫁ぎました。2代にわたる将軍の姉として将軍家との橋渡し役となり、尾張徳川家の繁栄の基礎を築いた千代姫の生涯を振り返ります。

展示の詳細案内

純金葵紋花鳥図香盆飾り
(じゅんきんあおいもんかちょうずこうぼんかざり)

じゅんきんあおいもんかちょうずこうぼんかざりの画像

【まばゆい輝きとともに香りを楽しむ】
 香木や練香を炷(た)いて、香りを室内にくゆらせたり、香りを楽しんだりするための道具一式です。盆の表には、それぞれ狩野派風の山水と梅に鶯(うぐいす)の花鳥図が、また外周には花唐草文が精緻に毛彫りで表されています。香盆は木胎に金の薄板を貼り合わせた構造ですが、ほかの香炉や炷空入(たきがらいれ)、香木や灰を扱うための火道具などはすべて金の無垢です。

霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
江戸時代 寛永16年(1639) 重要文化財

銀葵紋檜垣に梅図香盆飾り
(ぎんあおいもんひがきにうめずこうぼんかざり)

ぎんあおいもんひがきにうめずこうぼんかざりの画像

【白く輝く銀の香道具】
 純金葵紋花鳥図香盆飾りと同様、香を炷(た)くための諸道具が一式となった銀製の香盆飾りです。香盆は木胎の上を銀の薄板で包む銀貼の構造で、表には亀甲地に檜垣と梅の老木、底部には木目の模様が表されています。金と銀という素材の違いはありますが、純金の香盆飾りと、構造や技巧・意匠が類似しており、同時期に作られたことをうかがわせます。

霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
江戸時代 寛永16年(1639) 重要文化財

鬢曽木道具
(びんそぎどうぐ)

びんそぎどうぐの画像

【千代姫のための特注品】
 深曽木と鬢曽木(びんそぎ)の通過儀礼に用いる道具です。深曽木は数え5歳、鬢曽木は数え16歳の通過儀礼で6月16日に行うのを嘉例としました。附属文書から、舅(しゅうと)の義直が二条康道(やすみち)をはじめ公家から儀式の次第書を取り寄せ、将軍の娘にふさわしい儀礼をと周到に準備を進めた様子がうかがえます。

霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
江戸時代 17世紀

源氏物語抜書
(げんじものがたりぬきがき)

げんじものがたりぬきがきの画像

【品格と矜持(きょうじ)あふれる書】
 鉄線唐草文を藍で摺りだした料紙に『源氏物語』の「葵」「花宴(はなのえん)」「明石」の一節を散らし書きにした調度手本です。肥痩に富んだ伸びやかな筆線による書は品格に富み、千代姫の自負と教養が感じられます。
 「葵」は、光源氏が六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の書を評した一節で、書が優れていても、それだけではこの女性と思い定めることのできない複雑な心情が示されています。

霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)筆
江戸時代 17世紀

真珠貝玉箱
(しんじゅかいたまばこ)

しんじゅかいたまばこの画像

【異国の薫り漂う玉箱】
 箱書に「権現様(家康)御譲の由、延宝八年(1680)申七月十一日霊仙院様(千代姫)より被進候由」とあり、千代姫が家康から譲られ愛用した玉箱とわかります。金銀の細線を組み合わせて葡萄唐草文を表し、金の鶴や尾長鳥・蜂・蜻蛉(とんぼ)・蝶・栗鼠(りす)のモチーフに加え、141粒の天然真珠がちりばめられています。中国南部かタイ周辺で製作されたとみられ、大航海時代の遺風が漂う、絢爛豪華な道具です。

徳川家康・霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
東南アジア 16世紀

金唐革鏡覆
(きんからかわかがみおおい)

きんからかわかがみおおいの画像

【鏡カバーだって舶来品】
 二つ折りの手鏡のカバーで、花瓶を中心に海獣やアカンサス唐草文、クワブ文(軟骨模様)が表され、花瓶の下部にはオランダの工房ハンス・ル・メールを示す「HLM」の印があります。ヨーロッパで壁装材として製作された金唐革は、日蘭貿易で日本へもたらされ、袋物や小物に利用されました。千代姫の化粧道具の「乱箱(みだればこ)」附属とする記録があります。

ハンス・ル・メール作
霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
オランダ 17世紀


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